プロフィール

Author:チェリーク
モリアンサーバーで活動中です
メインキャラ・・・チェリーク(人間)
サブキャラ・・・シヴァリエ(エルフ)
活動チャンネル・・・4
フレンドを増やすためにサブで別ギルドに入ろうか迷う、今日この頃です

当ブログはリンクフリーですので、気軽に貼って頂けると嬉しいです

月別アーカイブ

最新記事

最新コメント

カテゴリ

FC2カウンター

最新トラックバック

ーダンバートンー
 しばらくして、ようやく竜義の治療が終わった。
 竜義「すまないな、夜中に急に治療してもらって。」
 包帯の上から傷口に触れても、さほど痛みを感じなくなった。
 治療してもらう前までは出血が収まっても動くたびに多少の痛みがあったので、とても助かった。
 マヌス「いやいや、どう致しまして。
 それにしても、思ったほど重症ではなかったのが驚きだな。
 普通ならもう手遅れになるところだったというのに・・・お前は運が良い。」
 竜義の様子を見て、安心したような表情をマヌスは浮かべた。
 チェリークを探しに行こうと思って立ち上がり、ドアへ向かう。
 すると丁度良いタイミングで、外からドアが開けられた。
 チェリーク「竜義さん!怪我はもう大丈夫なのですか??」
 入ってきたのは、チェリークだった。
 竜義「治療前と比べて、大分良くなった。軽い戦闘なら問題ない。」
 チェリーク「・・・それなら良かったです!」
 マヌスと同様、チェリークも安心を隠し切れないようだった。
 マヌス「さて、チェリークの怪我はまだ浅いようだが、どうするかね?
 必要なら女の助手を呼ぶが・・・・・。」
 ???「マヌスさん、傷薬ありました。いつも助かります。」
 突然マヌスの背後に、めがねを掛けた細身の男性が現れた。
 歳は20代前半くらいだろうか。
 チェリーク「!?」
 ???「!!」
 その男性を見て、チェリークは一歩後ずさった。
 相手は後ずさることは無かったが、心底びっくりしているようだ。
 ???「これは久しぶりですね、チェリークさん。」
 彼もチェリークと知り合いらしく、気軽に挨拶を交わしてきた。
 しかし対する彼女は、
 チェリーク「・・・お久しぶりです、スチュアートさん。」
 いつもよりいっそう表情を硬くして返事をした。
 マヌスと会った時と、明らかに態度が違うことが分かる。
 
 数分前、スチュアートがヒーラーの家に入ってきた。
 魔法学校の教師である彼は、生徒がちょっとした切り傷を負ったということで、
 マヌスに薬を借りに来たのだそうだ。
 マヌスは手が離せなかったので傷薬のある棚の場所だけを言った。
 その時彼は竜義に簡単な挨拶をしてきたが、別に嫌な感じはしなかった。
 では何故、チェリークは微かに強張った表情をしているのであろうか。
 まるで、何かに気づかれるのを恐れるかのように。
 スチュアート「おや、チェリークさん。
 怪我をされているみたいですけど、大丈夫ですか?」
 笑顔を崩さずにスチュアートは言った。
 チェリーク「・・・大丈夫です。治療を受けるほどではありません。」
 スチュアートから目をそらしながらチェリークは答える。
 そんなわけがない。たとえ重症でないとしても、決して軽い傷ではないのだ。
 竜義「大丈夫なはずがないだろ。
 外見は大したこと無いように見えるかもしれないが、左手の火傷は隠し切れない。
 早く治療しないと、一生剣を握れなくなるかもしれないんだぞ。」
 チェリークの左腕を掴んで否定の言葉を言った。
 当然だ。傷を負ったままの仲間を心配しない人間が何処に居る。
 チェリーク「このくらいの傷なら、体力さえあればすぐに治せます!」
 竜義「ぬかせ!マナの消費もしているその身体で、自然治癒を頼るな!」
 チェリーク「夜である今、マナの回復だってできますよ!」
 竜義「それでもマナが完全回復するのには時間が掛かるだろ!
 マナの回復の前に、左腕が壊死するぞ!」
 チェリーク「竜義さんほど重症ではなかったのですから、
 そんな簡単にはなりません!」
 2人はその後も数分間、言い合いを続けていた。
 竜義「頑固な奴だな・・・。」
 このままではいつまで経っても終わらないので、最終手段に出ることにした。
 竜義「チェリーク、二つだけ選ばせてやる。」
 チェリーク「な、何ですか??」
 竜義「素直に治療を受けるか、気絶して治療を受けさせられるか、どっちがいい?」
 チェリーク「それは・・・。」
 彼女の左腕は竜義に掴まれている。
 おまけに、さりげなく彼の剣も抜刀寸前の状態だ。
 これ以上抵抗しても無駄だと判断したのか、チェリークは小さくため息をついた。
 チェリーク「分かりました、治療受けます・・・・・・。」
 今まで2人の様子に唖然としていたマヌスだったが、我に返って口を開いた。
 マヌス「よし、では今日はもう遅いからここに泊まりなさい。
 今すぐにやりたいところだが、さすがに疲れたのでね。
 その怪我なら朝一番で治療すれば完治できるだろう。」
 スチュアートはいつの間にか居なくなっていて、だから空気が凍らずに済んだ。
 2人はマヌスの言葉に甘えさせて貰うことにした。

-----------------------------------------------------------------------------------------------------------
 こんばんは。
 初めにお詫びしたいことがあります。
 前回の記事をお読みの方はお分かりだと思いますが、
 マヌスをヌマスと書いてしまいましたorz
 指摘されるまでは気づきませんでした・・・。
 今は修正をしましたので、このことについてはどうかお許しを。
 私、NPCの名前間違えること、よくあるんですよね><
 例えば、G1に出てくるマウラスをマラウスと読んでいたり、ダンカンをダンガンと読んでいたり・・・・。
 次からはしっかり名前を確認してから記事を書くことにします。
 それと、今回ss入れるの無理でした。場面が微妙でしたので・・・。
 なるべくこういうことが起きないように状況を考えなくてはなりませんね。
 さて、そろそろこれで失礼させて頂きます。
 7話からは少しシリアスな場面が出てきます。
 どのような内容になるのか気になる方は、引き続き見て下さると嬉しいです。
 それでは、また^^
ーダンバートンへー
 真夜中だと言うのは竜義の勘違いだったようだ。
 体力回復のためにもうしばらく休んでいたのだが、夜は一向に明けない。
 もしかしたら、まだ夜になったばかりなのかもしれない。
 とはいえ、おかげで竜義とチェリークの怪我は順調に治っていった。
 チェリーク「大分治られたようですが、まだ完治したとは言えません。
 ヒーラーの方に診て頂く必要があります。
 今の私では、これが限界のようなので・・・すみません・・・・・・・。」
 チェリークはひどく落ち込んでいた。力が及ばなかった自分を、攻めているのかもしれない。
 ビオ「まあ、ここまで来たんだし、大丈夫でしょ。」
 竜義「まったくだな、早くヒーラーに行って傷を治しに行くか。
 そうしたら、次の仲間を探しに行こう。」
 チェリーク「は、はい・・・・。」
 返事をしたものの、チェリークはしばしの間俯いていた。
 ビオ「それにしても、いきなりあんな強い魔族に遭遇するとはね〜。
 ティルコネイルに行くのはちょっと考えたほうがいいね。」
 もしこのままティルコネイルに向かおうとしても、またあの魔族に襲撃される可能性もある。全員ともまだ体力が戻りきっていない今、そうせざるを得ない。
 チェリーク「だとすると、近くにある町・・・『ダンバートン』へ向かうべきかな。
 ヒーラーの家もあるし、竜義さんの治療もしてもらえるはず。」
 この近くには「ダンバートン」と言う町がある。そこはいつも人通りが多く、活気に満ちているのだそうだ。
 そこで一旦、3人(2人と1体)はダンバートンにあるヒーラー家に向かうことにした。
 チェリークが手伝ってくれたおかげで、竜義も何とか歩くことが出来た。
 道中で出現したクマやオオカミ、ウィスプなとはすべてビオが片付けてくれた。
 通常のスプライトにはありえないことだが、気にする余裕は無かった。
 時間はかかったものの、1時間くらいでようやく竜義たちはダンバートンへ到着した。

 竜義「ここがダンバートンか・・・。」
 彼が今までここに来たことがあるのかは分からない。
 だが記憶の無い竜義にとっては、初めて来たも同然だ。
 竜義「随分と賑やかな場所だな・・・。」
 入り口に立っただけで、人々の楽しそうな話し声が聞こえてくるのだ。
 チェリーク「私たちが見つかったら、大騒ぎになりますね。」
 ビオ「そうだね〜、我は念のため姿は消しておくよ。」
 そう言うとビオの姿はまるで水に溶けてしまったかのように、跡形も無く消えた。
 とりあえず町の人に気づかれないように、外壁の内側にある細い道を慎重に通っていき、運よくヒーラーの家までたどりつけた。
 静かにヒーラー家のドアを開けると、
 ???「っち、そろそろ休めると思ったのに・・・誰だ?」
 ぶっきらぼうな、しかし特に怒りを感じない声が聞こえた。
 チェリーク「マヌスさん、お久しぶりです。」
 チェリークは声を発した者と知り合いらしく、冷たげではあったがその人物の名前を呼んでいた。
 マヌス「ん?その声はチェリークか??」
 奥から出てきたのはいかにも筋肉質な男性だった。
 ヒーラー服を着ているので分かりづらいが、その体格の良さから判断することは可能だ。
 マヌス「・・・!?おまえら、というかそこの少年、その傷はどうした!?」
 竜義の姿をみて、マヌスは慌てて駆け寄ってきた。
                   mabinogi_2009_11_01_003.jpg
 マヌス「何があったのだ!?」
 竜義「すまないが、俺達を治療してもらえないか?」
 細かい事情を話している暇は無い。こうしているだけでも、かなりつらい。
 マヌス「あ、ああ分かった!まずはお前からだな。」
 竜義のために薬品や包帯を取りにいこうとして、ふとマヌスはチェリークを振り返った。
 チェリーク「あ、私は外に出ていますね。」
 チェリークはそう言い残して、さっさと外へ出て行ってしまった。
 マヌス「まて、お前もまだ傷がっ・・・行きやがったか。
 まあ、すぐに帰って来るだろうな。」
 ため息をついて、マヌスは竜義を治療し始めた。
 いささかチェリークの行方が気になったが、今は大人しく治療を受けようと思った。

 ダンバートンの北にある、小さな建物。
 この場所に来た途端、人々の声は聞こえてくるのにすごく静かな感じがした。
 とても神聖な雰囲気のあるここは、聖堂だ。
 ???「さて、そろそろ私も寝ようかな。」
 両腕を上にして背伸びをする女性が聖堂の入り口に立っている。
 美しい女性だった。
 人間にはほとんど見られないピンク色の髪は自然と惹かれるほど綺麗で、肌も白い。
 彼女に好意を持つ男性も少なくはないはずだ。
 それでも淫靡さを感じさせないのは、彼女が着ている黒い服のおかげであろう。
 そう、彼女は司祭なのだ。
 すでに今は真夜中をすぎている。いつもよりも遅くなってしまった。
 聖堂周辺にゴミなどが落ちていないかしっかりチェックし、他に訪問者が居ないのを確認して、聖堂を閉めようとしたその時。
 チェリーク「こんばんは、クリステルさん。」
 少女の声が聞こえた。
 クリステルと呼ばれた女性は、チェリークを見て驚き、嬉しそうな顔をした。
 クリステル「チェリーク!お久しぶりね〜。」
 ゆっくりとした足取りで、2人は近づいた。
 チェリーク「はい、お久しぶりです。」
 答えるチェリークも、わずかだが嬉しそうな顔をしている。
 しかし、
 クリステル「・・・チェリーク、あなたどうしたの??」
 チェリークの異変に、クリステルは気づかずにはいられなかった。
 怪我のことだけではない。
 彼女自身が、ひどく落ち込んでいるように見えたのだ。
 チェリークをよく知っている人だからこそ、わかることだ。
 クリステル「何か、あったのね・・・。」
 軽く俯くチェリークに掛ける言葉は一つしかない。
 クリステル「中へいらっしゃい。話を聞くわよ。」
 今日は眠れないな、とクリステルは思った。
 


-----------------------------------------------------------------------------------------------------------
 こんばんは。お久しぶりです。
 はい、突然ですが、この後書きを書き始めたのは何時だと思いますか?
 ・・・およそ午前3時45分・・・。
 いえ、決してずっと起きていたわけではありませんよ!
 実は夜の8時から午前1時30分くらいまで眠ってしまっていたのです・・・。
 「アドバンス回収していない!」ということで少しだけログインしたものの、今さらすることなし;;
 だからといって今すぐ寝れるとは思わなかったので、ちょっとしか書いていなかった記事を仕上げてみました。如何でしたでしょうか?
 またまた長期間更新することが出来なくて、申し訳ありませんでした。
 色々諸事情があったとはいえ、時間空きすぎですね(笑)
 でも、焦らずに少しずつ進んでいこうと思います。
 ご心配なく。物語は確実に(脳内ですが)完成してきています。
 久しぶりに文章書くと、けっこうしんどく感じますね。
 あと、今回のss構成悪いですねorz
 次回はもっとましになります〜。
 表現とか、考えるのは意外と難しいものです。でも頑張ります!!
 それと、夜遅くまでss撮影に協力して下さった竜義さん、
 本当にありがとうございます><
 さて、本日はこれで失礼させて頂きます。
 進みの悪い物語ですが、どうか最後までお付き合いをお願い致します。
 それでは、また^^
物語に出てくる登場人物たちの主な紹介です。(例外もありますが大抵NPCは除きます。)
現時点で皆様がわかっていることだけをまとめとして書き込んでいますので、話が進むにつれて少しずつ内容が変わっていく予定です。
定期的にご覧になって、よりその人物に親しみを持って頂けると嬉しいです。(早く続きを完成させないとorz)
-----------------------------------------------------------------------------------------------------------
(救世主とその仲間)
ー竜義ー
エリンのある一人の女神が定めた『救世主』と呼ばれる者の一人(らしい)。
常に冷静で、戦いにも落ち着いて対処できると思われる性格の少年。
魔族の陰謀によってラビダンジョンの別空間に封印されていた。
封印される前の記憶は一切失っている。
唯一持っていた青い両手剣の正体も不明。
眠りから覚めた直後に魔族と交戦したが、すぐに倒されなかったことから戦闘能力は高いことがわかる。
自らの封印を解いてくれた、「チェリーク」という少女に懐かしみを感じていることを疑問に思っている。
チェリークの頼みから半信半疑ながらも使命を果たすため、そして自身の記憶を取り戻すために『残りの救世主たち』を探すことになる。
旅を共にしている謎のスプライト「ビオトープ(ビオ)」とは相性が悪い?

ーチェリークー
「竜義」の封印を解いた少女。
女神の願いにより、全ての『救世主たち』を探し出し、エリンの危機を救う役目を持った彼らを導く『導き者』(らしい)。何へ導くのかは今のところわかっていない。
常に無表情でいることが多く、周りの人々には冷たいと思われることがしばしばだが、初めからそうだったわけではないようだ。
その証拠に、打ち解けている人物の前では時々表情を出すことがある。
何故「ビオ」がいつも傍に居るのかは不明。
水色の二刀流の剣を愛用している。
彼女の力は極端に不安定で、強力な攻撃はあまりできないそうだが、この理由も不明。
「竜義」や他の救世主たちのことを前から知っている様子が見られるが、彼らとどういう関係があるのかはこれもまた不明。とにかく不明だらけである(結論)。

ービオトープー
通称ビオ。他には見られない、極めて珍しい翡翠色のスプライト。一応女性型。
人間と会話をすることが可能で、チェリークといつも一緒に居る。
結構明るい性格で、人を励ます光景がよく見られる。
チェリークの力の秘密の鍵を握っているように思われる。
竜義とは相性が悪い?

(魔族)
ーアルファルクー
人間の身でありながら魔族として生きている少年。
持っている力は強大で、熟練した戦士でも苦戦するほど。
自分の敵だと判断した場合、素人相手でもためらいなく抹殺するであろう。
何故か竜義と容姿が非常に似ている上に、竜義と同じ質の剣を所持している。
ただし色は青色ではなく、まるで血を滲ませたような紅色である。
しかも竜義に何か恨みを持っているらしく、彼を殺すことこそが目的のように感じる。
どうやら竜義、チェリーク(とビオ)両者の秘密を知っているらしい(?)
竜義を封印していたのは、アルファルクたちだったように思われる。

ーエアウォークー
アルファルク同様、人間の姿でも魔族を名乗っている女性。
常にアルファルクと共に行動している。
戦闘の腕は相棒ほどではないが、かなりのものだということが分かる。
少し気が短い性格で、相手に傷を付けられた場合、数秒感情に任せて攻撃してしまう癖がある。
理由は分からないが、チェリークと同じ剣(色は赤)を持っている。

(その他)
ーアーリアルー
竜義が瀕死の重症になった際に『生と死の狭間』で出会った謎の人物。
昔の竜義のことをよく知っているらしく、かなり親しげに話しかけてきた。
黒い大きな羽根に、輝く鎧を纏った神々しい姿をしていたが、本来の姿ではないらしい。
正体は不明。

ー第4話「決心」ー

ー謎の空間ー
 そこは不思議な場所だった。
 辺り一面が真っ暗な中に、光の紋章みたいなものが浮かんでいる光景だ。
 紋章の端は、それぞれ『赤色』と『青色』に光っている。
 自分がその紋章の中心に立っていることに、竜義は気づいた。
 竜義「(何だこの場所は。俺は確か、ラビダンジョンの入り口付近で魔族と戦っていたはずだ。)」
 そう、あの「アルファルク」という男と戦っている最中だったのだ。
 その時たしかチェリークが危ないと分かって、助けに行こうとして・・・そこで記憶が途切れている。
 もしかして、死んでしまったのであろうか・・・。
 ???「気がついたか、竜義。」
 竜義「・・・誰だ!」
 突然声が聞こえたものだから、竜義は驚いて顔を上げた。
 すると目の前に、闇の中から人が現れるのが見えた。
 いや、その人物を『人』と言って良いのか分からない。
 現れたのは、光り輝く鎧を身に纏った騎士だった。その者(おそらく男性であろう)の背には、黒く大きな翼が生えている。
 ただの騎士ではないことは誰にでも分かるだろう。
 その姿にはどこか威厳があり、そして勇ましかった。
 まるで、『光』を象徴するかのようだ。黒い翼があるのに・・・だ。
 ???「何だ、我の名前を忘れたか・・・。まあ良い、
 我が名は『アーリアル』。かつて、お前と『運命を共にした』者だ。」
 竜義「『アーリアル』・・・。不思議な響きだ・・・。」
 何故だろう。この「アーリアル」と名乗る人物・・・敵だとは思えない。
 懐かしい・・・と言う感じではないのだが。
                  mabinogi_2009_01_31_019.jpg
 竜義「ところでアーリアル、ここは一体どこなんだ?」
 アーリアル「・・・ここは『生と死の狭間』・・・。
 我の背後にある赤い光は、あの世・・・『ティルナノイへの出入り口』。
 そしてお前の背後にある青い光が、『エリンへの出入り口』となっている。」
 どうやら死に至ることはなかったようだ。
 安心するべきなのだろうが、アーリアルの事が気になる。
 『運命を共にした』の意味を尋ねようとしたとき、アーリアルの方が先に口を開いた。
 アーリアル「先ほどの戦い、見させてもらった。」
 アーリアルは小さくため息をついた。
 確実に何かに呆れていることがはっきりと分かる。
 アーリアル「・・・情けないな。それでもおまえは救世主か?」
 圧倒的な強さを感じる声が、闇の遠くへ響く。
 その声は決して、闇に溶けることはない。
 アーリアル「竜義、その剣を見ろ。それを手に入れたとき、お前は何を誓った?」
 竜義「言いたい放題言ってくれるな・・・。」
 アーリアルを睨み上げ、すぐに目を逸らした。
 竜義「記憶を失い、戦い方も分からないと言うのにどうやって勝てと言うんだ・・・。」
 明らかに戦いに慣れている魔族が相手だったのだ。
 同じ立場なら、誰でもそう言いたくなるに違いない。
 アーリアル「そうか・・・。お前の心は、そんなに弱くなってしまったのか。
 やはり、我らの期待はずれだったというのか・・・。」
 威厳のあるアーリアルの声に、無念の色が混じる。
 アーリアル「・・・それでも、もう運命の歯車は回りだしているのだ。
 止めることなどできぬ。
 しかし・・・だ。記憶は無くとも、お前の中には強力な『力』がある。
 自信を持て、竜義。お前が勝てない相手など居ない。
 おまえは一人ではないのだ。我も遠くから見守っている。
 自分だけが苦痛だと感じるな。『真実』を知る者は、不安と恐怖に怯えながら自ら戦いを選んだのだぞ。
 ・・・信じるのだ、己の武器と仲間を。
 仲間と互いに支え合い、共に苦痛を乗り越えることが出来たとき、
 それぞれが『本来の力』に目覚めるであろう。・・・ん?」
 アーリアルが話を終えたとき、彼の体は薄くなっているように見えた。
 アーリアル「そろそろ、時間切れか・・・。我がここに居られる時間も、あとわずかだ。
 さあ、どうする。『長き戦い』に疲れ、これ以上耐え切れないとでも言うのであれば、あの世への門をくぐるが良い。
 それとも、恐怖に立ち向かって己の使命を果たすことを望むのなら、さっさと生の現実世界、エリンへ戻るのだ。お前の帰りを『待っている』者が居る。」
 竜義「・・・・・・・・。」
 自分の帰りを待っていてくれる人が居るとしたら、その人物は思い当たる限り一人しか居ない。
 竜義「俺は自分の記憶を見つけられないまま、死ねない。」
 きっとあの世への入り口を通ってしまったら、絶対に後悔する・・・。そう思った。
 竜義「己の使命とやらを果たしに行ってやる。」
 挑むかのように、目の前に居るアーリアルを見上げる。
 迷いなど、既に無かった。
 竜義「(それに、このまま死んだらあいつに怒鳴られそうな気がするしな。)」
 アーリアル「・・・『救世主』。それは、『女神』と我等が勝手に決めた呼び名・・・。
 おそらく魔族は、我らを馬鹿にして笑っているだろうな。
 しかし我は信じている。必ずお前達が、エリンに平和の光を差し込むと・・・。
 最後に教えてやろう。覚えていないだろうが、汝ははその剣に『いつか出会った仲間を守る。』と誓ったのだ。」
 竜義「仲間を、守る・・・?」
 仲間とは、チェリークやこれから出会うであろう他の救世主達か・・・?
 そのとき、
 竜義「・・・っ!」
 突然激しい頭痛が竜義を襲った。これは、一体何を意味しているのだろうか。
 理由は分からない。だが、心の中の自分が何かを拒み、悲鳴を上げているような気がした。
 アーリアル「焦るな。どんなことがあろうとも、必ず『真実』を知るときが来る。
 ・・・楽しみだ。『真実を』知ったとき、お前はそれをどう受け止めるのだろうな・・・。」
 だんだんとアーリアルの姿が薄く、透明になっていく。
 アーリアル「己の心が分からなくなったときは、常に武器に問いかけろ。その剣は、お前の心を正直に受け止めてくれる。忘れるでないぞ。
 それと、この姿は我のものではない。ここに長く居られないのもその影響だ。本当の姿の我に会いたいのであれば、『アル』を訪ねるが良い。ではまた会おう、竜義。」
 そしてアーリアルは、跡形も無く消えた。
 本当は色々なことを聞きたかったが、仕方が無い。
 後ろを振り返ると、青い光が上に伸びている。
 竜義はその先がエリンであることを信じ、青い光の元へ歩き、入り口に足を踏み入れた・・・。
 
 
 
 チェリーク「あ・・・。竜義さん、意識が戻られて良かったです・・・・大丈夫ですか?」
 目を開けると、チェリークとビオが竜義を見ていた。
 空は暗く、無数の星が輝いている。真夜中なのだろう。
 パチパチと何かが燃えている音が聞こえる。
 顔を少し横に向けると、焚き火が暗闇の中を照らしていた。
 近くに敵は居ないらしく、安心感が竜義の心を包んだ。
 竜義「あ、あぁ大丈夫だ・・・。」
 竜義は横になっていた体を起こした。手首を見ると、傷はすっかり消えていた。
 脇腹にも、もう痛みは感じない。チェリークが全て治してくれたのだろうか。
 竜義「それよりも、お前は大丈夫なのか?」
 チェリークがエアウォークに斬られたときの傷は、治っているのか見当たらなかった。
 しかし彼女は全体的に火傷を負っているままだった。
 特に左腕が悲惨で、傷の深さを物語っている。
 チェリーク「大丈夫です。それよりも、竜義さんがずっと唸っていらしたので心配でした。」
 ビオ「ったく、数時間前まで本気で焦ってたんだからね〜!」
 ようやく先ほどの出来事が夢であったことを理解した。
 ・・・夢だとは思えなかった。すべて、はっきりと覚えているからだ。
 傍で燃え盛る炎を見つめながら、アーリアルと話したことをゆっくりと思い返す。
 アーリアルに言われたこと一つ一つが、心に強く刻まれていた。
 竜義「(仲間を守る・・・か。今回は守られてしまったが、次は大丈夫だろう・・・。)」
-----------------------------------------------------------------------------------------------------------
 
 こんにちは、お久しぶりです。
 まずはお詫びを申し上げます。更新が遅れて本当にすみませんでしたorz×100
 いざ書こうとした時に限って期末テストと重なってしまったものでして、本日ようやく4話を公開することが出来ました。
 決して話に詰まったわけではないですので、そこはご理解をお願い致します><
 今度は途切れすぎないように出来る限り努力します!(テスト期間中はご勘弁を;;)
 では、また次の記事で^^
ーラビダンジョン入り口前・夜明けー
 一方、竜義は一歩も動かないでアルファルクと睨み合っていた。
 相手が怖いからだという簡単な理由ではない。
 ちょっと動いただけでも、ほんの少しの隙を突かれるような気がしたからだ。
 それほどアルファルクから感じる威圧感は、強い。
 アルファルク「どうした、いつまでもこのままでいる気か?」
 アルファルクは竜義と戦うことを楽しみにしているようだ。
 竜義「あいにく、そのような下手な挑発にのるタイプでは無いんでな。」
 とは言っても、止まり続けているわけにはいかない。
 こうしている間にもチェリークはもう一人の魔族、エアウォークと戦っているのだ。
 しかも日は出ていないが、いつの間にか夜が明け始めている。
 部外者が来る前に早く終わらせたいところだ。
 竜義は深呼吸をして、息を整える。
 それを見てアルファルクは竜義に向かって横から剣を振った。
 竜義は後方に跳躍して攻撃を避けたあと、一気にアルファルクとの距離を縮めた。
 剣を振りかざし、アルファルクに斬りかかろうとするが、あと少しのところでよけられてしまった。
 一瞬のことだったので動作が止まらず、竜義の剣は勢いよく地面に振り下ろされた。
 余程の力だったのか、地面の土が砂埃となって彼らの周囲を立ち込める。
 視界が閉ざされたのはたったの数秒だ。
 だがそれは、相手に一回でも攻撃できる絶好のチャンスでもあった。
 アルファルク「隙あり!」
 嬉々とした声と共に背後から剣が突き出される。
 竜義はそれを自分の剣でなんとか受け止めた。
 あまりにも強い力で押されて、竜義の足が少し後ろにずれる。
 その状態が長い間続いた。気がつけばすでに辺りが明るくなっている。
 視界には、チェリークがアイスボルトを放っている姿が見えた。
 竜義「(何だ、あの氷の塊は!?)」
 まだ魔法が使えない竜義にとっては、初めて見るものだった。
 竜義「(この戦いが終わった後、詳しく聞いてみるか・・・。)」
 アルファルク「余所見をしている暇は無いぞ。」
 アルファルクは剣を竜義から離すと、剣を水平ににしてそれを回転させるように振る。
 接近攻撃系スキルの一つ、「ウィンドミル」スキルを発動させたようだ。
 スキル準備が速かったとはいえ、竜義にはディフェンススキルを発動させる時間は十分にあった。
 これでアルファルクの剣を止められるはずだった。
 しかし彼の剣が竜義の剣に届く前に、『強い衝撃』が少年を襲った。
 その衝撃は竜義の手元に当たった。
                    mabinogi_2009_01_01_040.jpg
 竜義「!?」
 突然手首に軽い痛みを感じた。手首からは、一筋の血が流れている。
 手元に気をとられていた竜義は、アルファルクの剣を横から受けてしまった。
 幸い重鎧を着ていたお蔭で打撲のみで済んだが、痛みが強いことに変わりは無い。
 思わずよろめく。
 そのとき、チェリークの悲鳴のような声と剣が落ちる音が聞こえた。
 視界の隅から、チェリークがエアウォークのファイアボルトを受けて倒れるところが見えた。
 竜義「・・・・・チェリーク!」
 反射的にチェリークを助けに行こうとして、目の前の敵を見ずに動いたのが少年の大きな失態だった。
 右の脇腹に激痛が走る。
 地面に『大量の血』が流れ落ちる。
 突然眩暈がして、視界が暗くなる。
 何が何だか分からないまま、竜義は意識を失ってしまった。
 アルファルクは少年の脇腹から『血のついた剣』を抜く。
 そのまま竜義の体が倒れるが、そのまま動くことは無かった。
 

 エアウォーク「どうする?とどめを刺すか、このまま連れて行くか・・・。」
 倒れている二人の戦士を見ながら、エアウォークは相方に問う。
 アルファルク「殺す。」
 アルファルクは大量の血を流して倒れている少年を見て言った。
 エアウォーク「そう、分かったわ。」
 そう言ってチェリークの方を見ると、少女は彼らを鋭い視線で見つめていた。
 動けるはずがない。なのにチェリークの目から、竜義には絶対に触れさせないという意志がはっきりと感じられた。
 エアウォーク「諦めなさい。もうあんたでは守れないわよ。」
 嘲け笑っているエアウォークの後ろでアルファルクは竜義に手を伸ばしかけた。
 ところがアルファルクの手が触れる前に、突然竜義の体から微量の『光』が発生していた。
 エアウォーク「な、何・・・?」
 驚くエアウォークに向かって、アルファルクは呟いた。
 アルファルク「まずいな・・・。『覚醒』の予感がする。」
 何かしらの危険を感じたのか、アルファルクはすぐさま竜義から離れた。
 エアウォーク「まさか・・・!目覚めたばかりだと言うのに、ありえないわ・・・。」
 アルファルク「可能性はある。」
 彼には確信があるようだった。
 エアウォーク「でもあれは、『女神の祝福』が必要なはず。まだあの子には無理じゃない?」
 アルファルクは首を横に振った。
 アルファルク「あの娘が怪しい・・・。もしかしたら、あいつが出来るのかもしれない。」
 チェリークを見た限り、ただの普通の少女にしかエアウォークは見えなかった。
 だが、もし本当にそうだとしたら・・・。
 エアウォーク「なるほど〜。油断は禁物ってことかしら?」
 アルファルク「そうだ。そろそろ人間共が来るかもしれないし、ここは撤退だな。」
 エアウォークは頷いてから何かの魔法を唱えた。
 アルファルク「運が良かったな、救世主。」
 詠唱が終わると魔族の二人の姿は、まるで霧が拡散したかのように・・・消えた。
 未だ意識が残っていたチェリークはなんとか立ち上がり、ビオの元に歩く。
 チェリーク「ビオ・・・返事は、出来る?」
 ビオ「う、うん・・・。でも、私のことより・・・竜義を・・・。」
 ビオも空中に浮かぶことは出来たが、よろよろとしている。
 チェリーク「竜義さん・・・!」
 今度はふらつきながらも、チェリークは竜義の元に駆け寄った。
 ビオ「やっばいよ〜、早く治療しないと・・・。」
 チェリークは回復魔法「ヒーリング」を唱えた。
 少女の周りに、温かい光の球体が5つ浮かぶ。
 その光を竜義に全てかけるが・・・、
 チェリーク「嘘・・・。」
 なんと、瀕死状態である竜義の深い傷がほとんど癒えてないのだ。
 ビオ「チェリークのヒーリングの回復力は、強大なのに・・・。」
 実はチェリークは全体的な力は救世主達よりも劣るが、回復の力だけは一番高いのだ。
 チェリーク「もしかして、力が足りないから・・・?」
 よく見るとチェリークも相当の傷を負っていた。いつも通りの力が出せなくて当然だ。
 ビオ「ごめん、チェリーク・・・。我も、『力を貸したい』けど・・・。」
 そしてビオも見た目では良く分からないが、かなり体力を消耗している。
 チェリーク「そんな・・・。」
 チェリークはその場に膝をつく。
 彼女を知る者なら、とても信じられない光景だろう。
 チェリークの瞳から、いく筋もの涙が流れていたのだ。
 チェリーク「どうして、私はいつも・・・・何も出来ないの・・・?
 もう二度と、誰も・・・『私のせいで傷つける』ことはしないと誓ったのに・・・。
 これでは、他の救世主も守れない・・・・。あの人達だって、守りたいのに・・・。
 もっと、私の力が強ければ・・・・こんなことにはならなかった・・・・・・。
 どうして、どうして私だけ『不十分な力』しか無いの・・・?
 こんなの・・・ないです・・・・・。」
 チェリークは、ただ己の無欲さに泣いた。
 ビオ「チェリーク・・・。」
 ビオの言葉に少女は答えない。
 チェリークは竜義を抱き起こし、再びヒーリング魔法を詠唱し始めた。
 チェリーク「せめて、傷口を塞ぐことくらいは・・・。」
 何度も光の球体を出現させ、竜義にひたすらかけ続ける。
 辺りには、一人の少女がヒーリングを唱える音だけが響いていた・・・。

 BLOG TOP  »  NEXT PAGE